熊谷市 「家で勉強できない生徒」の成績を上げる小学生・中学生専門塾

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「志望校を変えさせる」塾屋のホンネ

埼玉県の公立高校入試までちょうど1か月を切りました。

受験生の皆さんにとっては本当に本当に最後の追い込みの時期です。この1か月にどれだけの魂を込めて勉強に打ち込めるかが受験の結果だけでなく、その後の人生にも大きな影響を及ぼします。

この時期に覚悟を決めて一心不乱に勉強に打ち込んむ子供たちは、ときに信じられないようなミラクルを起こします。

われわれ塾屋にとっては、体力的・精神的にもっとも消耗する1か月であるとともに、子供たちの底力の凄まじさを見せつけられる1か月でもあるわけです。

なにはともあれ、私たちとしては子供たちが自分で決めた道を自分の力で切り開く第一歩ともいえる「受験」で、最高のパフォーマンスを発揮してもらえるように最後まで共に全力で走り抜ける。そんなラスト1か月です。

 

さて、1月の倍率も発表され、私立の結果も出そろって来たこの時期ですが。「志望校変えてください」とお願いをしてくる塾も多いかと思います。子供たちが頑張っているのになぜ?思う方も多いと思いますが、なぜ塾がこの時期に子供たちの志望校を変えさせようとしてくるのかを少しお話したいと思います。

これは、大手学習塾で塾長を務め、退職した今だからこそお話しできる内容です。

 

どのような生徒の「志望校を変えさせる」のか

 塾が志望校を変えさせようとしてくる生徒は主に以下のような生徒です。

  1. 偏差値や内申点がそもそも志望校のラインに全く届いていない生徒
  2. 合格・不合格の本当にギリギリのラインに居る生徒

こういった生徒のご家庭には電話や面談で「不合格になっても得るものはない」とか「〇〇さんが不合格になって悲しむ姿を見たくない」とか「多分受からないので変えたほうがいいですよ」とか、志望校の変更を促してきます。

なんて言ったって相手はプロの塾屋です。

実際、殆どの受験生が講師からのこういった言葉によって志望校を変更します。

確かに、言葉通りに受け取れば、「親身」とか「生徒思い」なんて感じるかもしれません。

本当にそうかどうかは、この志望校変更の提案に乗らなかった生徒への対応で分かります。

志望校変更の提案をすると必ず、「仮に不合格でもいいので本人が望むところへ最後まで挑戦したい」というご家庭が出てきます。私からすれば「とても素晴らしい判断」だと思います。

でも、中にはそういった生徒へ何度も何度もしつこく志望校変更をせまる塾もあります。

一体なぜか?

 

塾屋のホンネ

 生徒も保護者も納得して受験するって言っているのになぜ塾屋は志望校変更をせまるのか?

それは、チラシのためです。

春になると塾のチラシが新聞やポストに山ほど入っていると思いますが、だいたいどこの塾も合格実績をでかでかとのせます。塾を選ぶときにそれを基準に選ぶ方も多いのでそれなりに注目度の高いトピックスだと思います。

あなたなどちらを選ぶでしょうか?

「〇〇高校 100%合格!」 「〇〇高校 90%合格!」

どっちも凄いなとは思いますが、100%のほうがよりグッときませんか?

特に合格実績を基準に塾を選ぶ方にはよく刺さります。

つまり、受かるかどうかわからない子を受験させて90%になるなら、受かりそうな子だけ受けさせて100%のほうがたくさん生徒が集まるって発想です。

塾側は、口が裂けたって言いませんが、志望校変更をごり押ししてくる塾のホンネは大体そんなもんです。

もし合格実績で塾を選ぶのであれば、説明会等に参加したときにぜひ塾長にこう直接聞いてみてください。

「〇〇高校の合格率は〇〇%ですが、途中で志望校を変えた子は何人くらいいますか?」

たぶんちゃんとは答えてくれないと思います。

でもそれが答えだと思ってください。

 

脱「合格至上主義」

 じゃあお前はどうなんだという話ですが、

私は「一切志望校変更の提案をしません。」

もちろんリスクが高い場合にはきちんと説明はしますが、こちらから「変えなさい」とは絶対に言いません。最終的な判断は本人に任せるようにしています。

こう言うと無責任だとか、なんとか言われてしまいそうですが、自分が教えている生徒が不合格になるのは嫌ですよそりゃ、嫌に決まってます。だって、子供たちが一生懸命に頑張っている姿をずっと見ているわけですから。

この仕事を15年近くやってますが、いまだに合格発表の前日は夜まともに寝れませんし、教え子が不合格になって人知れず泣いたことだってあります。

誰よりも生徒を不合格にしたくないって気持ちは強いと自分では思っています。

が、それよりももっと嫌なのは、「大人の都合で子供の人生をねじまげること」なんです。

そりゃ余裕で受かる学校に志望校変えさせた方がこっちは楽ですよ。チラシにもいいこと書けますし。

でも子供たちの人生は高校入試がゴールでしょうか?違いますよね?

入試は子供たちが「行きたい」と思っても努力が足りなければ「行けないかもしれない」という事を始めて経験する貴重な機会です。そんな貴重な機会に「キミハウカラナイカラシボウコウヲカエナサイ」なんて言って、挑戦することをあきらめさせて楽な方へ誘導することが本当に子供たちの成長につながるでしょうか?

入試でそんなことを覚えたらそのあとずっと、就職でも何でも、無理そうだったらすぐにあきらめて第二、第三希望に変更しちゃう子になると思います。

挑戦から逃げて、あきらめ続ける人生なんて誰のためにもなりません。

昔実際に教えていた生徒で、中3になってから、猛勉強して偏差値を10以上上げた子が居ました。

って簡単に言っちゃいましたが本当に努力したんです。ときには泣きながら勉強しました。それでも行きたい高校の偏差値からすると本当にぎりぎりです。

結果は不合格でした。とんでもなく頑張っている姿をずっと見ていただけに本当にショックでしたし、志望校変えさせた方が良かったんじゃ無いかなんて真剣に後悔したりもしました。

でもその子は言ったんです。「高校に行ったら同じ失敗をしないように最初から頑張ります」って

3年後にその子は自分の行きたい大学にきちんと合格しました。

仮に不合格になったとしても、自分で決めた事に対してめいっぱい努力して挑戦したという経験こそが確実に子供たちの成長につながると思います。

大体、余裕で受かりそうなとこに志望校変更させちゃうなら塾要らなくないですか?

本人が「行きたい」といったところに行けるように最後までサポートするのが塾屋の務めだと私は信じています。そしてそれこそが受験を単なる塾屋の合格実績作りにすることなく、子供たちの成長につなげていけるのだと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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